Progressive Indirect Attack

 戦術その6であるProgressive Indirect Attack(=PIA)は、フェイントなどを用いてリズム・タイミングを崩して打ち出す間接攻撃のことです。基本的に相手の反応を誤った方向にしむけるフェイント動作によって出来た相手の隙を、その動作を戻すことなく変化させて打ち込んだり、同じ前進動作の攻撃を異なった方向から打ち込んだりします。また、最初に打ち出した同じライン上でリズムを崩して、そのラインから間接的に打ち込むバリエーションもあります。

 人間は、攻撃されそうになると必ず反射を起こします。武術や格闘技を学んだ経験があると、よりこの反射は顕著なものになります。そこで、相手の反射を誘って出来る隙をつくのがPIAなのです。

 PIAで重視されるのは、1)「段階をおって間接的に」2)「途切れない動作で」おこなう、ということです。例えば下に示した実例ではフェイント動作(1)と、それに続く攻撃動作(2)、下→上あるいは上→下という、相手にヒットさせる攻撃の軌道が最初に打ち出したラインとは異なった角度から出されていることがわかるでしょう。また、これらの動作は便宜上直線的な矢印で示してありますが、実際の動きでは矢印を結んだようなカクカクとした動作でおこなうことは固 く戒められます。技の途切れが無く、フェイントからヒットまでが、ブロークン・リズムで流れるような一連の動作でおこなわれることが求められているのです。












Fig.6-1-1〜2 パンチによるPIA

1)相手の脇腹に対して、フェイントのパンチを狙っていくと、相手は反射的にガードを下げて脇腹を守ろう とします。

2)ガードを下げたことによって、がら空きになった相手の顔面に対して、伸び上がりながらパンチを打ち込 みます。








Fig.6-2-1〜2 パンチとキックによるPIA

1)相手の顔(実際には顔よりやや上)に向かってビルジーを放っていきます。すると相手は反射的にのけぞろうとします。(スウェイバックなどという技法を知らなくとも、普通は反射的にこうなるものです。)

2)このとき、相手の前足は伸びきり、動きを失っていますので(2)、前足のヒザ関節に向かって、すかさず踏みつけるように横蹴りを出していきます。


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