Single Direct Attack



 戦術その1であるSingle Direct Attack(=SDA,*1)は、ダイレクトに打ち出す一発の単純攻撃のことです。JKDの最も基本的な原則は「単純動作」であり、このSDAがタイミングよく決まれば、それで戦いは終わりとなる場合もあります。基本的な定義は「基本的に、自分と相手の中心線を結ぶ直線上(*2)を意識して(無意識で)打ち出される単発攻撃」のことです。JKDの母体となった中国拳法、詠春拳の戦闘理論を色濃く引き継いでいる部分であるとも言えます。ただし、JKDではフックやアッパーといった曲線的な攻撃も使用されるため、その定義はさらに広がっています。
 効率を重んじるJKDの特性もあり、多くの場合、SDAはリード側(半身に構えたとき、前に出ている側)の 手足によってなされます。すでにおわかりのように、パンチでもキックでも、とにかく一発の単純攻撃は「SDA」に分類されます。
 SDAは文字通りにとらえるなら「単なる攻撃技」にすぎませんが、JKDにおいてSDAとは、相手に動きを読まれないスピード・技のタイミング、より効率的な体の使い方などの様々な細かい技法を含む、応用性の広い分野の総称であるといえます。

一撃必殺、という言葉は良く知られていますが、「ただ一発のパンチが(自然と)繰り出さ れ、そして相手が倒れる」という、戦術上での理想の境地を内包する概念であると言えるでしょう。

*1: Simple Direct Attackと呼ぶこともあります.
*2: 最も効率の良い攻撃ルート、という意味で「エコノミー・ライン(economy line)」などと呼ばれます.













←Fig.1-1  ビルジー[標指]
JKDで特に重視されるのがリードハンド(構えたときに前側に来る手)による目突きの技法「ビルジー」で す。場合によっては喉などを目標とする場合もありますが、いずれにせよ基本は脱力した状態から素早く、目標に向かって一直線に突いて引き戻します。







Fig.1-2 チュンチョイ[冲捶]→
 いわゆるジャブ・ストレートにあたる直拳での攻撃も、有効かつ重要な攻撃手法です。ビルジーよりもスピード の点でわずかに劣りますが、直接的な攻撃力という点で上回るのは当然です。








←Fig.1-3  ジャクテック[下段横蹴り]→
下段、特に相手のヒザ関節などをへし折る様に出す横蹴りも有効です。普通に構えた場合、自分から見て最も近くにある相手の体のパーツは、相手の前足なのですから。そこへ自分の一番長い武器である横蹴りを用いるのです。

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