渡米修行案内

イノサントアカデミーで学んでみたい!このページは、そう思った貴方のための情報インデックスです。毎年、世界各国から多くの人々がイノサントアカデミーを訪れます。観光のついでに立ち寄る人、武術修行のために訪れる人、学業のかたわら通う人など、その目的と手段は様々です。

中村頼永師父の名前と経歴が日本でも紹介されるようになって以来、日本からの修行者も数多く訪れています。このページでは、短期滞在でイノサントアカデミーで武術を学びたいという人を対象に、情報ガイドを掲載いたします。(長期滞在に関する記事は更新時に添加予定)

※注:ここに書かれているのは、イノサントアカデミーで学ぶための知識の全てではありません。実際の訪問・練習の際には配布される規約を参照下さい。

文責:T.M.(東京本部)

イノサントアカデミー・短期入門生徒規約,練習料金(和訳抜粋)

●すべての短期入門生徒(Visiting Student, VS)は、初回訪問時に(短期)入会誓約書を提出し、面接を受けなければなりません。(アカデミー窓口で受け付けています)●カルフォルニア州の住民はVS料金を利用することはできません。VS料金は3ヶ月以下の滞在にのみ適用されます。●4週間以上滞在する生徒は、$25.00のアカデミー設備維持費を納めなければなりません(※)。●3ヶ月以上6ヶ月未満にわたって練習する場合、VSは$50.00のアカデミー設備維持費を納めなければなりません(※)。※この費用を納入したVSは、そのまま正式入門する(アカデミーの正式生徒となって滞在する)場合は、正式入門量の$200から既に納入した分の費用が差し引かれます。Vising Student Training Options

<短期入門時の練習料金>

●単発で練習する場合は、クラス毎に$20.00がかかります。

※ 上の表で、左は一週間に取得できるクラス数を、右はそのクラス数のときの一ヶ月の練習料金を示します。つまり、一週間で20単位のクラスに出席する場合、一ヶ月に$200.00がかかります。支払いは1月4週間単位です(つまり、10 classes/week; $130を支払いすれば、合計40単位を取得できます)。このシステムを利用する場合、一週間しか練習しない場合でも、一ヶ月分の料金がかかります。(つまり、6回未満しか練習しない場合はクラス毎の支払いとし、『クラス数×$20.00』として支払った方が良いでしょう。7回以上練習する場合は、上のシステムを利用する方がお得です。)

※支払いにはVISAなどのカードが利用できます。

※現在どのようなクラスがあるかは、クラススケジュールをご覧下さい。

イノサントアカデミー・服装規定(抜粋)

●全ての練習生は、アカデミーで販売している黒のTシャツ、黒のショートパンツあるいはロングパンツ、室内用のボクシングシューズあるいはレスリングシューズなどのジムシューズを着用しなければなりません。(ジム内は土足禁止です。)

※短期練習生の場合、服装は自前の黒い服装でも大目に見て貰えることもありますが、出来るだけ無地のものを選んで下さい。[nWoTシャツのようなものは論外です。]

●武器術の修練クラスでは眼を保護するために、全ての練習生はゴーグルを着用しなければなりません。

●ムエタイのクラスでは、専用トランクスの着用が義務づけられています。

●柔術クラスでは、柔術着の着用が義務づけられています。

滞在について

長期滞在ならば下宿やアパートを探したり、数人で一件借りる、などの手段も考えられます。イノサントアカデミー紹介ページにある地図のマークから「付近を検索」で「Hotel」と入力すれば、付近のホテルが検索できます。

食事について

イノサントアカデミーの周辺には、食事を出来るところは一応揃っています。日本でもお馴染みのデルタコ(タコス),ケンタッキーフライドチキン,ドミノピザ,サブウェイ(サンドウィッチ)などのファーストフードもあります。

持ち物リスト

実際に旅立たれる貴方の参考にして下さい

□パスポート

□着替え

□常備薬(風邪薬、胃薬、傷薬など。向こうのクスリは日本人には効きすぎたり、効かなかったりします。)

□練習着上下(黒いもの。シャツやパンツ等。現地で購入もできますが、着替えや洗濯のことも考えると日本からも複数枚を用意していくのが無難です。)

□ノート,筆記用具(膨大な学習事項をメモするのに必要です。なお、練習中の写真撮影は歓迎されません。)

□レスリングシューズorボクシングシューズ、あるいは室内用運動靴

※服装規定の項を参照のこと。ほとんどのクラスは上履き着用です。出来るだけ底の薄い、エッジが無くて柔らかいものの方が良いでしょう(堅いと、スネ蹴りなどの練習のときに嫌がられます)。蛇足ですが、アメリカは靴社会なので、水虫持ちが多いです。うつされないように靴やグローブは常に清潔に!

□グローブ(12oz程度)、パンチンググローブ、スネ当て、ファウルカップ

※ 貸してくれる場合もありますが、自前のものの方が良いでしょう。衛生面からも自分で管理するべきです。格闘技ショップ(I&I sports)はかなり遠いので車が無いと行けません。体格にあったもの、という意味でも日本から自分で用意していくのが無難です。(イノサントアカデミーで販売しているものもありますが。)

□タオル

□洗濯用洗剤(ホテルの風呂で洗濯するのが普通になるでしょう。小分けした袋に入ったものが便利です)

□目覚まし時計(たまに目覚まし時計の壊れている部屋があります。)

□爪切り(通常の旅行ならばともかく、とっくみあいするのですから爪のお手入れは必須です。真面目に練習すれば足の皮もむけるので、それを切るのにも便利。)

□お金、クレジットカード(アメリカはカード社会なのは言うまでもありません。)

渡米修行の心得

ここでは、渡米修行にあたって知っておいた方が良いことを箇条書きにしておきます。

全般について

●よくばりすぎて、あまり沢山のクラスを選択するのは止めましょう。後で泣くのは自分です。

せっかく来たのだから、と全てのクラスをとろうなどとは考えないで下さい。予習・復習をきちんとやろうと思ったら、一日3時間程度のクラスが限界です。

● おそらく、日本からの練習生が一番不安を感じるのは言葉の問題でしょう。必要以上に緊張する必要はありませんが、緊張感が無さ過ぎてトラブルを引き起こすのも問題です。「自分のことは自分でやる」という当たり前の覚悟があれば乗り切れます。現在では日本人の練習生も多く、また中村夫妻をはじめ現地スタッフは非常に親切な方々ですが、最初からそれを頼りに訪問するのは筋違いというものでしょう。

筆者がイノサントアカデミーで練習しているとき、日本から一人の青年がやってきました。中村師父の記事を読んでやってきたのですが、イノサントアカデミーにやってくるなり「ホテルの泊まり方がわからない」と言います。要はホテルの予約もせずにやってきたわけですが、彼はまったく英語も喋れず、結局私が全て手配してあげることになりました。彼はその後も数々の珍事件をまきおこし、周囲に迷惑を振りまいたのですが、イノサントアカデミーにはときどきこのように何か少し勘違いした人々がやってきます。もちろん個人の目的や志向は自由ですが、少なくとも自分のお尻はきちんと自分で拭けるようにしたいものです。

練習について

●イノサントアカデミーでは、世界各国の武道が練習されています。したがって各クラス毎に礼の方式が異なりますが、おざなりにせず、きちんと礼を行って下さい。アメリカ人は礼儀にうるさくない、などという誤解をしている人はいないと思いますが。

●クラスで教わる知識量は膨大です。写真は原則的に禁止ですが、ノートを取ることは禁止されていませんので、頑張ってメモを取るべきでしょう。

● 中村頼永師父のクラス以外は、当然ながら英語しか通用しません(中村師父のクラスでも、あなたの練習パートナーは当然、英語しか喋れないでしょう)。指導者が出す練習の指示等を聞き逃さないよう、気を付けましょう。パートナーとの意志の疎通も重要です。(「パンチ限定の軽いスパーリング」と言われたのに、手足を振り回して本気で殴りかかるなどしないように!筆者は実際、ヒアリング能力の低いドイツ人にこれをやられました。思わず本気で反撃して、私も怒られました。

● アメリカは訴訟社会です。スパーリングなどで相手にケガを負わせた場合、状況によっては大変な事態に発展することもあることは意識の隅に止めて置いて下さい。従って、スパーリングなどでもきちんとした力・技術のコントロールが要求されています。日本でたまに見られるように、もう根を上げている相手を痛めつけ、ダウンさせておいて「お前がへたくそだからいけないんだ」という様なやり方は通用しません。また、このような背景がありますので指導員はケガに関して非常に神経質です。自分がさせた場合もしてしまった場合も、慌てずきちんと対処しましょう。(筆者はエリック・パールソン(現修斗ライトヘビー級王者)のムエタイ・クラスでヒジ打ちの攻防の練習をしていたとき、練習パートナーから眼にまともにヒジ打ちを食らいました。そのときは「スローモーションで動いて相手の力の流れを感じ取り、ヒジを流す」練習だったのですが、相手は少々苛ついていて力を込めて打ったようです。すると、私が眼を押さえてかがみ込むよりも早くエリックが飛んできて、私の目を打った相手を怒鳴りつけました。「スローモーションで、力をコントロールして、と言っただろう!」というわけです。そしてエリックはしきりに私の心配をして、医者へ行った方がいい、と盛んに勧めてくれます。気持ちは有り難かったのですが、多少力が入っていたとはいえ、もとより格闘技の練習なんだからこれくらいしょうがないですよ、と私は言いましたが、結局そのクラスは残りの時間、タオルを眼に載せて寝ているように指示されました。後で聞けば、これはアメリカでは極めて普通の反応だそうです。逆に私のようにちょっとしたケガを負った人間が「視力が低下した」とアカデミーや指導者を告訴する場合もままあるそうです。(余談ですが、それじゃスパーリングなど出来ないじゃないか、とお思いでしょうが、これは通常のクラスの場合。お互いに気心の知れた、プロを目指すような選手同士の場合は別に時間を設けてガンガンやりあうようです。)

●格闘技経験が無い、という場合も心配は要りません。要はやる気です。しかし、クラス数は絞っておくほうが無難でしょう。少なくとも基礎体力は有る程度付けておくべきです。