中村頼永師父プロフィール

1963年12月19日、三重県生まれ。射手座のO型。

中学2年の時、『未知との遭遇』を観に行った劇場で『死亡遊戯』予告編が映し出され、初めて大スクリーンに躍動するブルース・リー師祖の勇姿に“遭遇”。「その瞬間、身体中に電流が走った」少年は、その後、“ドラゴンへの道”を邁進することとなる。

高校時代、寛水流空手を習った後、上京。アニメーターを目指しながら中国拳法などを学び、1984年2月、初代タイガーマスク・佐山聡先生の開いたタイガージムに初日入門。素質を見抜いた佐山先生にスカウトされ、1985年、スーパータイガージムに入社。佐山先生直々のプライベート特訓を受け、1986年、インストラクターに就任。1986年6月、後楽園ホールで開催された『第1回プリシューティング大会』66kg級トーナメントで優勝(3一本勝ち&1判定勝ち)。

その後もスーパータイガージムのインストラクターを務めるが、ブルース・リー師祖、JKDへの興味は断ち切れず、1989年1月、初渡米。ブルース・リー師祖が認定したJKD最高ランク保持者であるダン・イノサント師父の門下生となる。

イノサントアカデミー、IMBアカデミーで修行し、頭角を現した彼は、シューティング(修斗)の技術をイノサント師父に披露。乞われて交換教授をするまでになり、イノサント師父のプライベート・スチューデント(現在もプライベートレッスン継続中)となった。そして、1990年に「修斗」はアカデミーの授業に取り入れられることになる。さらに佐山聡先生を最高顧問、イノサント師父を副代表に、自ら代表となりUSA修斗協会を設立。

1990年、東洋人初のダン・イノサント認定IMBアソシエイトインストラクター(3ランク)に認定され、1991年3月、ダン・イノサント認定イノサン トアカデミーアプランティスインストラクターに認定。1992年1月、アソシエイトインストラクター(3ランク)に認定され、イノサント師父・ポーラ師母 との計画により、日本に於けるJKDの正統継承組織、IUMA日本振藩國術館を設立。(アソシエイトインストラクターの資格を持つと自分の組織を持つことが許される)

1992年1月、東洋人初のダン・イノサント認定イノサントアカデミーアソシエイトインストラクターに認定された彼は、イノサントアカデミーで「ジュンファン・グンフー/ジークンドー」のクラスを持ち、後進指導に当たり、1993年6月に弟子のエリック・ パーソン、チャド・スタヘルスキーを引き連れ、日本に逆上陸。「シューティング日米決戦」を実現させ、それまで日本人同士の対戦しかなかったシューティングに新風を吹き込み、今日の修斗隆盛の礎を作った。また、これはJKDが日本で初めて実戦的ベールを脱いだ日でもあり、目の肥えた観客も唸らせる真剣勝負の熱戦は、ブルース・リー師祖が日本でも武術家として認知されていく嚆矢となった。その後、エリックは修斗世界王者に、チャドは世界的映画監督に。 1994年1月には、東洋人初のジークンドーフルインストラクターに認定され、さらに同年、日本初のバーリ・トゥード(何でも有り)格闘大会『バーリ・トゥード ジャパン』の立案者の一人として、実行委員会・副委員長に就任、実行委員長の佐山聡先生と共に大会を成功させる。ちなみに、この大会で中村師父の友人ヒクソン・グレイシー氏が日本で初ファイトを行った。以後、1999年まで同大会は毎年開催され、2009年に復活開催。2012年からは名称を『VTJ』と略して現在も継続開催。

卓抜した武道家でありながら、その飾らない誠実な人柄は、マスコミや様々な業界でも信頼が厚く、その人脈の広さは想像ができないほど。

1998年には、リンダ・リー・キャドウェル夫人初来日も実現させ、さらに1999 年1月付で東洋人初のシニア・インストラクターとしての認定を受け、名実共にジークンドーの継承者の一人となった。

※それまで、振藩國術館の生徒だったという経歴等を称える意味で「名誉シニア・インストラクター」に認定された人物は存在するが、JKDの実力を認められ允許されたのは、ポーラ師母と中村師父が初めてである。

1989年以降アメリカに居住し、シニアインストラクターとして多忙な日々を送る一方、師祖の遺族やターキー木村師父たちとも家族ぐるみの交流を続け、3000 名を超える日本振藩國術館の会員に最新情報を発信し続けて来たが、2016年より日本へ帰国し、日本各地で指導を継続している。

また、『ブルース・リーファウンデーション(ブルース・リー財団)』(会長:リンダ・リー・キャドウェル、代表:シャノン・リー)の創設当初より、リンダさん、シャノンさんに依頼されていた同団体の『ジュンファン・ジークンドー諮問委員会メンバー(名誉理事)』就任要請を受諾し、2007年、同役職、及び『ブルース・リーファウンデーション(ブルース・リー財団)日本支部・最高顧問』の任に就く。ブルース・リー師祖の直弟子・遺族も太鼓判を押すジークンドー教師として、その厚い信頼の下、アメリカやヨーロッパなどでジークンドー講習会を開催するなど世界中でその普及に尽力している。

特筆すべき最新トピックは、2011年、増補(新装)版として刊行された『Tao of Jeet Kune Do』への寄稿だ。ブルース・リー師祖著の武道BOOKとして、70年代の刊行以来、世界的ベストセラー&ロングセラーとして余りにも有名な同書がリニューアル出版されることになり、版元である米国「BLACK BELT」出版社が、中村師父に直接「ジークンドーのTAO」についての執筆を依頼。企画(追加)された新たな章の中で、中村師父は3ページに渡る洞察文を寄稿し、同書籍に掲載されている。自身が今なお模索し追求し続けている深い考察を元に記されたその内容は、編集部はもちろん、イノサント師父、リンダ夫人、シャノンさんたちにも絶賛されているだけではなく、“簡潔でわかりやすい哲学”が言葉(文章)の力で表現されている。「ブルース・リー著」のジークンドー書籍でジークンドーを解説する記事を託されたのは、実に大きな快挙。そして、今後も世界中で読み続けられるであろう同書に追加されたその新たな一文は、ブルース・リー師祖のパフォーマンスがそうであったように、武道家・格闘家以外の様々な読者にも多大な影響〜生きる勇気と、本当の知恵を得るヒント〜を与えることであろう。

中村師父の夫人は、日本振藩國術館スタッフとしても辣腕を発揮する柳沢宏味師母(中国武術では、先生=師父の夫人を敬意を含め師母と呼ぶ。※シモと発音)。犬も食わないおしどり夫婦である(下写真)。なお、二人の愛息・JUNFAN命究〈じゅんふぁん・みこみ〉クンは、ディズニーやマテル社、TOYOTA他のモデルとして大活躍中。その笑顔がプリントされたバスが全米の大都市を走り、ファッション・モールでは、巨大ポスターなどで最新ファッションに身を固めた姿が見られる、現在アメリカで最も有名なローティーン・アイドルの一人だ。

世界屈指のブルース・リー・コレクター、そしてJKD正式継承者となった現在でも、純粋な一ファンの心を持ち続ける稀有な人物である。

USA修斗協会代表。佐山聡認定シューティスト(修斗最高ランク)。

◇中村頼永師父に関する雑記

中村師父がブルース・リー・ファン、そしてコレクターであるだけではなく、大変なアニメファンであることは、知る人ぞ知る有名な話。

かつてラジオ番組にゲスト出演した際も「永井豪先生の大ファン」と公言していたが、近年、それぞれの広い人脈がついにリンクし、対面が実現。「ジークンドーは夢の武道」と熱く語る永井先生と意気投合、誕生日のお祝いに中村師父が「永井豪先生用スペシャルタイガーマスク」をプレゼントすれば、永井先生は中村師父監修の「奇蹟のブルース・リー展」(2010年)に花を贈るといった交流が続いている。また、「キューティーハニー」等で有名な、アニメ・ファンにとっての歌姫・前川陽子さんとも親密な間柄。そして、本人は謙遜しているが、師父はプロのアニメーター*1(カナメプロダクション)だっただけあって、絵もバツグンに上手い(ある程度の年齢のファンなら、あのBFC〈ブルース・リー・ファン・クラブ〉会報に何度も師父のイラストが掲載されているのをご存じだろう)。 また、修斗ファンなら、なじみ深い“スーパータイガー=疾駆する虎”と“修斗”の文字が円で囲まれたロゴは、彼のデザインしたもの。『佐山聡のシューティング入門』(講談社)の全イラストや、イノサントアカデミー正メンバーTシャツの公式ロゴ、ペンチャックシラット・ブキティネガラの公式ロゴ等も彼の手によるものである。 (さらに、天才マスク職人として知られる実弟の中村之洋〈ユキヒロ)氏は、復活した初代タイガーマスク(佐山サトル師)ほかの専属として活躍する一方、“佐山サトル・ミュージアム”の側面も持つ『タイガーアーツ・東京・水道橋』を2011年4月に開設。現在もなお、兄弟で恩師・佐山サトル先生を支え続けている)

文筆でも非凡の才を見せている。プロフィールにある、渡米後の体験記は雑誌に詳しく載り(現在は福昌堂「ジークンドー」に再録)、ブルース・リー関連図書でも難解な部類に入る「ブルース・リーノーツ」(ジョン・リトル著/福昌堂)でも監修を担当。『世紀のブルース・リー』(ベースボール・マガジン社)では、複雑な武術理論からマニア垂涎の逸話や情報まで、硬軟自在な筆致で幅広い読者層を楽しませている。

●主な著作監修本:

『ブルース・リー ジークンドー公式マニュアル』(ぴいぷる社)

『ブルース・リー ジークンドー』(福昌堂)

『ブルース・リー ジークンドー2』(福昌堂)

『最強!ブルース・リー』(フル・コム)

『世紀のブルース・リー』(ベースボール・マガジン社)

『SHOOT WRESTLING』(THIRD EYE PUBLISHING)

『ブルース・リー コレクション』(ベースボール・マガジン社)

『ブルース・リーズ ジークンドー』(フル・コム/東邦出版)

『大人のTシャツランド/ブルース・リースペシャルムック』(徳間書店)

『ブルース・リーズ ジークンドー <増補改訂版>』(フル・コム/東邦出版)

●主な出演&監修ビデオ・LD・CD・DVD・Blu-ray

『世紀末格闘技伝説・ドラゴンの末裔たち 第1巻』(フジテレビ)

『世紀末格闘技伝説・ドラゴンの末裔たち 第2巻』(フジテレビ)

『ブルース・リー 最強格闘技ジークンドー』(パイオニアLDC)

『ブルース・リー 最強格闘技ジークンドー2』(パイオニアLDC)

『ブルース・リーズ ジークンドー 第1巻ベイシック』(フル・コム)

『ブルース・リーズ ジークンドー 第2巻キックボクシング』(フル・コム)

『ブルース・リーズ ジークンドー 第3巻トラッピング』(フル・コム)

『ブルース・リーズ ジークンドー 第4巻チーサオ』(フル・コム)

『燃えよドラゴン・ディレクターズカットLD・BOX』(パイオニアLDC)

『ドラゴン怒りの鉄拳・DVD・BOX』(パイオニアLDC)

『The Dragon's "Walk On"』(日本クラウン )

『ブルース・リーズ ジークンドー・DVD・BOX』(フル・コム)

『SP 革命前日/特典映像』(フジテレビジョン/ポニーキャニオン)

●また、リンダ・リー夫人からの依頼により「公式ブルース・リー展示会」の展示協力&展示監修も精力的に行っている。これまでに開催された主なイベント・展示会は次の通り:

1998年・日本『ブルース・リー エキジビション』

2000年・サンフランシスコ『ブルース・リー レトロスペクティブ』

2003年・ロサンゼルス『オフィシャル ブルース・リー コンベンション』

2006年・ロサンゼルス『フェスティバル・オブ・マーシャルアーツ』

2007年・日本『エンター・ザ・ミュージアム』

2008年・ロンドン『seni08/ブルース・リー ミュージアム』

2008年・シアトル『35th アニバーサリー・セレブレイション』

2010年・日本『奇蹟のブルース・リー展』

2010年・サンフランシスコ『ブルース・リー生誕70周年記念セレブレーション』

●その他、ブルース・リー特集TV番組やブルース・リーフィギュア等の監修多数。

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文責:S.M.(文中一部敬称略)

*1:「北斗の拳」第5話、「バース」、「ゴッドマジンガー」などを手がけた。アニメーター時代の師匠は、いのまたむつみ、金田伊功。