中村頼永代表による年始の挨拶

投稿日: Jan 02, 2011 11:50:23 AM

 

 

 

2011年、新年、明けましておめでとうございます。

昨年はブルース・リー師祖が生誕70周年を迎える年として、我が組織は六本木ヒルズ『奇蹟のブルース・リー展』開催協力&監修、様々なブルース・リーオフィシャルグッズ展開協力&監修、複数のNHKブルース・リー特番出演&監修、様々なブルース・リー特集(マガジン)記事協力&監修など多岐に渡った活動を実行し、日本縦断セミナー開催を始め初心者向けセミナーの実施、また、岡田准一主演映画『SP』の武術指導協力など様々な活動を実行して来ました。

これらの影響が大きく、日本全国で我が組織(IUMA日本振藩國術館/日本JUNFANクラブ)への入会・入門者が増えています。これは『ブルース・リー』『ジークンドー』への興味、認識が広がっていっている一つの証拠でしょう。

2011年、本年は、我が組織が設立されて20年目に入る年です。これまでに東京地区、大阪地区、九州地区、北海道地区、名古屋地区、静岡地区など私がセミナーを開催する地区を中心に、それぞれの地区で地道に精進して来た大勢の徒弟が正式インストラクターとして認定されて来ました。各人、歩みの速度に違いこそあれ、一度認定を受けたインストラクター皆が皆、そこで満足して歩みを停滞させる事無く地道な精進を継続し続けているその尊い姿に、私は彼らを認定したという自負を深めると共に、心から信頼できる仲間・同志として彼らの存在が私の大きな力ともなっています。私は本当に仲間に恵まれている事に感謝せずにはいられません。そして、今やこれらの地区の組織的基盤は固まったと言えるでしょう。

また、先輩インストラクターを良いお手本に、それを追い掛ける後進の生徒が一生懸命に汗を流している姿を私は各セミナー先で目の当たりにします。十代の生徒も少なくありません。日頃の修練はフェイズ昇進によって証明されますが、このフェイズ昇進を実現し、生徒から徒弟(正式門弟)へと昇進し、今や二重、三重、四重とメンバーの層もより厚くなっている現状に大きな喜びを感じると共に、改めて私は心の手綱を引き締めています。

私達はブルース・リー師祖の無形遺産ジークンドーを自らの身を以て修練体現し、自己発見の道を歩みながら後世次代にこれを正しく伝承し未来永劫に継承していく使命を持っています。

ジークンドーの技、思想の特徴はシンプルな事です。しかし、この『シンプル』な事は『簡単』な事とは限りません。むしろ難しいと言えるでしょう。それ故に、私達は修練しなければならないのです。

究極のシンプルを目指すその修練過程に於いては、一見複雑な事柄を体験通過する段階があり、それぞれが彫刻家の如く一旦盛り付けた粘土を自ら削り取っていく作業を行なって究極の真実を浮き彫りにしていく、、それが自己発見から自己を形成していくという作業。そこに机上の空論は無意味で、実践し体験あるのみ。

実戦は完全に自由です。敵は殴ってくる、蹴ってくる、組み付いてくる、武器で襲ってくる、複数でくる、背後から不意打ちしてくる、一体何が勃発するのか分からない中、どんな局面に接しても、不利な状況に陥っても、そこから動揺する事なく平常心で動いて対処出来て制することが出来る力。これを養成するわけです。

6秒以内で制する。6秒以内とは現実的には1動作~数動作の世界。これを目指す。故に『先の先』が有効となります。しかし、1度でも実戦試合に出た事のある人であれば簡単に実感できる事ですが、相手も自分を本気で倒そうと思っているわけで、死に物狂いで向かって来る人間は強い。素人でも死を覚悟してアドレナリン分泌しまくって向かって来る人間は強い。相手が武術経験者であれば尚更である。そんな敵を一発で制する事が出来なかったら、戦いがグラウンドにもつれ込んだら、不意打ちを食らってピンチに陥ったら、、、戦いは自由であるが故に何が起こっても不思議ではない。机上の空論は通用しない。あらゆる事を想定する必要があります。

正しい道で正しい指導者の下、正しい内容を正しい段階をおって正しく実践していく。そして、十分な練習量に裏付けされた本物の上質の技術を身に付ける。それはブルース・リー師祖がそうであったように、技術面、肉体面、精神面の全局面で体現されねばなりません。

自分自身、或いは、自分の愛する人が窮地に陥った瞬間、何も考える事無く、どんな局面に於いても瞬時に的確に反応し、事態を制することが出来る本物の実戦的『武』の強さを身に付ける。

「修練初めの頃の一発の己のパンチは修練過程に於いて一時期、己のパンチでは無くなるが、拳理を理解し、それを深めた後のそれは結局、一発の己のパンチに回帰していく。しかしそれは螺旋階段の如く、最早最初のパンチとはレベルが違うパンチでもある」、このブルース・リー師祖の『修練過程の教え』を深く理解することが肝要です。

そして私達は『武』の道を通して『敵を制する』技術を学びながらも、究極は『無敵(敵を無くす)』を目指す。それは『陰陽/調和』の道。つまりは人間力を高め、社会性を養い、この実社会でそれぞれが実のある人生を歩み、『幸せな人生を送る』。これが究極の目標だと思っています。この「究極」とは「最終的に」という意味よりも「突き詰めれば」という意味の方が近く、実は修練途中で、現在進行形で実現出来る目標でもあると思っています。そんな自分を実現させるために「強さ」を養成していく、、同志と共に養成していく、、養成しているその時の姿こそが最も重要な瞬間なのでしょう。

沢山の同志に巡り会わせて下さったブルース・リー師祖、ダン・イノサント師父、佐山聡先生に改めて感謝致します。

本年も11月27日が来るまでは『ブルース・リー師祖生誕70周年』として様々なプロジェクトが進行していくでしょう。そういう事も楽しみにしながら、弛まず、共に『Walk On!』して行きましょう!

それと、毎度の事ながら機関誌の発行が大きく遅れており大変申し訳なく思っています。機関誌57号(最新号)は、2月下旬~3月上旬に発行予定です。

それではこれで本年年始の挨拶を終わります。本年も宜しくお願い致します。

IUMA日本振藩國術館  代表:中村頼永