中村頼永代表より新年のご挨拶

投稿日: Jan 06, 2016 4:43:43 AM

皆様へ:

2016年、新年明けましておめでとうございます。

私達の組織『IUMA日本振藩國術館』は、ブルース・リー師祖の『振藩國術館』から『イノサントアカデミー』へと正しく伝承された『ジュンファン・グンフー/ジークンドー』を正しく継承し伝承しており、それを使命として、正統指導員育成にもチカラを注いでいます。

門下生は、フェイズー0からスタートし、修行継続により、フェイズー1、フェイズー2、フェイズ−3(正式徒弟)へと昇級し、アプランティス・シップ期間を経て、正式インストラクター(正統指導員)認定となります。

正式インストラクターに昇格しても、アプランティス・インストラクター期間、アソシエイト・インストラクター期間は、「認定期限1年間」という規約があり、認定後も修行を継続し、毎年更新して行かねば、インストラクター認定も失効してしまいます。

これは、例えば一般的な武道世界の「帯」で言うと、一旦「黒帯」を認定されたら大抵はそのまま永久に黒帯認定のままで、そこがゴールの様に錯覚し、修行を疎かにしてしまう事が有りがちです。それはその黒帯に認定期限設定が無いからという事もあると思います。黒帯の質を保つためには、やはりそれまでの道程同様かそれ以上の修行を継続して行く事が肝要です。

ジークンドーの世界は、この「継続」、つまり、『WALK ON』の精神が重要視されます。

故に、正式インストラクター認定後も、その質と精神を減退させぬ様に半強制的なシステムが存在しているのです。(*ブルース・リー師祖の遺産であるジュンファン・グンフー/ジークンドーの「質」を守るために、ダン・イノサント師父らがこのシステムを構築)

全ての門弟は、その引退無き生涯的修行過程に於いて、正式インストラクターに認定されてからも、常に『正統的系譜の組織で、正統的なジークンドーを伝承され修行している』という自覚を持って、その技法、及び理念、哲学のより深い理解に努め続けて行く姿勢が大切です。驕りは全てを停滞させ、道を誤らせる事に繋がります。

「ジークンドーは自由、概念」だと、『自由』の意味、理解を穿き違えて、自分勝手な都合の良い解釈で、自己流、或いは途絶えた系譜で勝手にジークンドーを名乗っている者が世界中に沢山います。

それ程、ジークンドーは誤解され易く、利用され易いものと言えますが、私達は正しい知識と精神で、正統的なジークンドーを確実に継承し、伝承して行かねばなりません。

『ジークンドー発展の3段階』(The Three Stages in Jeet Kune Do)は、各々の精進に於いて、核(ジュンファン・グンフー)をしっかり身につけ(第1段階/Sticking to the Nucleus)、クオリティーに磨きをかけ、そこから解放されて(第2段階/Liberation from the Nucleus)、各々の自己回帰実現(第3段階/Returning to Original Freedom)を目指して行くその発展的道程の事ですが、これも正しい伝承と系譜の上に成り立つ事です。正統的系譜からはみ出してしまった時点で成立しなくなります。

ここで、昨年末に発刊された『大武道!』(東邦出版)誌上で、山田英司編集長(*御自身も松田隆智師の拝師弟子。達人シリーズ等の書籍を発行する戦う編集者。フル・コム代表)が、「本物と偽物を見分ける鍵」という大変興味深い話を、シンプル且つ明確な解答で話されているので抜粋紹介します。

インタビュアー 「山田さん、今日はまず、山田さんが思う〝本物〞と〝偽物〞の境目を聞いてみ

たいんです。」

山田英司 「武術に関して言うと、本物を決める条件が10個あったとしたら、そのうちの

一番大事なことは、まずは ちゃんと伝承しているかということ。どうしてかと

いうと 武術というのはまず『伝承』なんですね。一番の本物か偽物かを見分け

る鍵は先生がいるかどうか。 ぶっちゃけ、中にはウチの本を読んだりして教え

ている先生もいるんですね。 」

インタビュアー 「つまり自己流っていうことですか?」

山田英司 「自己流です。」

インタビュアー 「師匠がいない。」

山田英司 「そうですね。まず伝承が正しくない。(中略)だから武術の場合はまず伝承な

んですよ。そうすると、何々流って名乗った場合、じゃあ先生は誰ですか?と。

だからその武術をやってる人たちは、その系図とか系譜にこだわるわけです。」

IUMA日本振藩國術館は、メンバー数3000名に及ぶ程の組織に成長しました。組織の巨大化に伴い、しっかりとした「質」を保つために、門下生皆のチカラで、常に初心を忘れず、驕らず、人間力を高め、ジークンドーの正しい系譜をより強固なものにしていって欲しいと願います。

それでは、2016年もメンバー全員が健康に留意し、共通精神を持って、しっかり歩んで行きましょう!

Let's walk on together!

IUMA日本振藩國術館 代表

ブルース・リー財団日本支部 最高顧問

USA修斗協会 代表

中村頼永